歯医者百様

まるでサナトリウムの末期患者と看護師さん之図 歯が痛くなりました。

 忘れた頃にやってくる歯痛*1。年も年なので歯槽膿漏かと思い(冷たい物も染みないし、歯茎というか顎の方が痛い感じだったから)とりあえず無視してたんですよ*2

 ところが痛みがしつこい上に、だんだんいろんなところが痛い気がしてきて集中力は欠けるし*3夜は眠れないし、仕方なく歯医者に行くことにしました。

  • *1: どーでもいいけど「歯痛」って「しつう」でも「はいた」でも変換できるんですね。はいた。ちゃんとした読み方だったんだ
  • *2: ニンゲンの90%がとると思われる常識的な行動
  • *3: 元からないという噂もある

 ワタシは歯医者ジプシーです。

 実家にいた頃にはかかりつけの歯医者を持っておりましたが、結婚してからは引越しが重なったこともあり、あちこちの歯医者に行きました。前回ツメ物が取れたときには、会社に併設されている歯医者に行ったんですが、この年になって何度も行くのもためらわれ、かかりつけになることを前提に、歯医者探しをいたしました。

 口の周りで気になることというと、やはり若かりし日に患った顎関節症でございます。まだ顎関節症が知られていない頃に口が開かなくなり、整形外科にかかったものの先生(美男子)も判らず、結果、先生(美男子)が口に手を突っ込んで顎を無理矢理はめ込む、という脅威の治療を受けて見かけ上完治となっている、アレです。

 なので、どうせかかりつけ歯科をもつならば顎関節症に対応したところがいいなぁ...ということで、前から目をつけていた歯医者に予約を入れ、速攻行ってきました。

 正直、顎関節症対応しか見ていなかったんで、どんな歯医者か知らずに行ったのですが、行ってみるといろいろ「哲学」のある歯医者さんでした。患者には1人1人専任の歯科衛生士がつき、初診の時にはその歯科衛生士さんがまず似顔絵入りの名刺をくれた上でカウンセリング、ワタシの顔を覚えたいからといって写真を撮ってカルテに添付。

 ほほう、サービス業ですね、とよい印象を持ったのですが*1、その日は忙しかったのか、なかなか先生がやってきません。

 診療台の横でトムトジェリーを流してたんで見るともなく見てたんですが、先ほどの歯科衛生士さんが時々やってきてヒト声フタ声かけていきます。

 が、よ〜く背後の気配に気をつけてみると、どうやら「時々やってくる」わけではなく、ずっとワタシの後ろに待機している模様。そして、時々話題を見つけては彼女自身の個人情報に基づく笑い話をしてくれたり、ワタクシの生活環境を探ってみたりしているわけです。

 その患者さんがいる間は、ホントに専任歯科衛生士!というわけですね。

 これはちょっとビックリしました。確かに広さの割に歯科衛生士さんがいっぱいいるなぁとは思ったのですが*2

 患者も安心できるいいサービスだとは思うのですが、その日はとにかく半分飛込みで行ったような感じですし、後回しにされるような格好で、先生はなかなかやってきません。こうなってくると、ワタクシのナナメ後ろにたたずんでいる歯科衛生士さんが凄く気になります。向こうも会社を抜け出してやってきたワタシを待たせていることがわかっているので、一生懸命会話を探して話し掛けてくれるのですが、もともとワタシは無口な方だし人見知りだし、なかなか会話が続かないのですよ。

 否応なく訪れる沈黙。

 二人で黙って見つめる大きな窓の先には、解体工事中の家が...。

 多分、今後ろからワタシタチを見ると『サナトリウムの末期患者が昔住んでいた家の解体工事を見たいと言い、看護師さんが連れてきてくれて二人でボンヤリそれを見ている』ように見えるに違いない。なんだ、この絵。

 とりあえず、そんなこんなで二人で一生懸命会話しつつ、先生を待っていたのでした。

 ちなみに診察の結果は「以前治療した歯根の炎症か、虫歯かどっちか」でした。この年になって虫歯かよ...。

 とりあえず、次回訪問時には、先生がすぐ来るといいな、と思いながら会社に戻ったのでした。 

  • *1: ワタシは何事も徹底しているのが好きなので、プロとしてサービスに徹している人を見ると嬉しくなるのです
  • *2: 後でもらって帰ったリーフレットを見たら、それが方針のようでした。予防歯科を提唱しており、お医者さんは「治療」のお手伝い/日々の「メンテナンス」は歯科衛生士さん=主役は彼女たち、という哲学をお持ちの歯医者だったのでした。なるほど。

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