怒り虫

むしむしむし 幼稚園からの帰りの道で、Aっくんが下を向いてもそもそと言いました。「Mちゃんはイケナイよ。だってね、ボクが『ゴメンね』って言ったのに、『いいよ』って言ってくれなかったんだよ。それでね、ずっと泣いてるんだよ。Mちゃんはね、先生に怒られたくて泣いてるんだよ」と訴えるではありませんか。

 まあ、状況はわかりませんが、とりあえず悪いことしたら『ゴメンね』と謝って仲直りする、という仕組みを純粋に信じているAっくんにしてみれば、ゴメンねといっているのに許してもらえない上にずっと泣かれちゃって、困ったのでしょうね。

「そうかぁ、今日はMちゃんは今日、泣き虫だったんじゃない?」

「泣き虫?泣き虫に噛まれると泣いちゃうの?」

 Aっくんがビミョーな反応を示したことに、うっすら気付く母親。

「そう、泣き虫に噛まれると泣いてばっかりになっちゃうの」

「あ、ボク知ってるよ!」

 得意げにAっくんが知ってる宣言したときは知ってた試しがないのだが...。

「あのね、泣き虫とね、怒り虫とかいるんだよ。ボク怒り虫だ〜い好き」

「え?怒り虫が好きなの?怒り虫に噛まれると、怒りんぼになっちゃうんだよ」

「だってね、怒り虫は赤いんだもん。ボク赤好きだもん。だから怒り虫好きだもん*1

「怒り虫は赤いんだ。じゃあ、泣き虫は何色?」

「泣き虫は青だよ」

「じゃあ、笑い虫は?ママ笑い虫が好きだな」

「笑い虫は黄色だよ」

 てな虫バナシを展開しているうちに家に着いたのですが、よくよく考えてみると、怒り=赤、悲哀=青という色のイメージが彼の中にはきちんとできているということデスよね。

 この話以来、Aっくんがかんしゃくを起こしてムッとしても、「怒り虫に噛まれちゃった」と思えば、なんとなくおさまるまで待つか...という気持ちになれるので、割と好きな設定であります。

  • *1: 三段論法

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